「不妊は女性の問題」というイメージがかつては強かったのですが、最近、ようやく男性にも不妊原因があることが一般にも広まってきました。私の漢方薬局にも、不妊の相談でいらっしゃる男性が増えています。
西洋医学で、男性不妊の原因としてポピュラーなのが「精索静脈瘤」です。精巣から心臓へ戻る静脈の血液の流れが途中で滞っている病気で、精巣内の温度が上昇し、精子をつくる機能が障害されるために不妊症になるといわれています。内服治療や手術が検討されますが、東洋医学では、「血流を良くし、老廃物などの排出を良くする」という観点から漢方薬を処方します。
具体的に、処方する漢方薬は桂枝茯苓丸。この効果は大学病院などでも認められています。精力が弱っていてED気味の人には、海馬補腎丸や補中益気湯も処方します。
1年ほど前から海馬補腎丸を飲み始め、つい先日、奥さんの妊娠が分かったAさん。彼は、漢方薬を飲む前、泌尿器科で検査を受けると精子の数が非常に少なかったそうですが、飲み始めて数カ月ほど経ったころから精子の数が増え始め、2倍にまで増加したといいます。
奥さんが「彼はサプリメントも薬も好きではなくて、普段なかなか飲まないのに、この漢方薬だけは自ら毎日飲んでいるんです」とこそっと教えてくれました。
男性不妊に悩んでいる人は、一度漢方薬も検討されてはいかがでしょう?
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