震災後の健康被害 これからが危ない

<第1回>口腔ケアなしで肺炎、寝たきり、認知症は防げない

水が不足でも口腔ケアが重要(C)日刊ゲンダイ

■柔らかい食べ物で唾液減少

 東日本大震災では、わずか数週間の避難所暮らしで、口の中が虫歯だらけになった人も多かった。

「被災地では、保存が利き、糖分が多い菓子パンやアメなど、軟らかい食べ物が配られます。これだと、少ない回数で噛んでのみこめるからです。しかし、そのせいで唾液が減り、口の中の汚れが落とせず、虫歯になってしまうのです」

 被災地では、一日中続く余震や避難所のストレスが口腔内のダメージの原因になる場合もある。

「そのせいで口内炎ができたり、歯周病が悪化する人も少なくありません。中には、ストレスで知らず知らずのうちに“食いしばり”が起き、歯の一部が欠けたり、割れたりしている方もいます」

 入れ歯を利用している人は虫歯にはとくに注意したい。

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