医者も知らない医学の新常識

「AB型」被災者はエコノミークラス症候群に気をつけろ

熊本地震で避難生活をする益城町の人々(C)日刊ゲンダイ

 これについて最近多くの報告があるのは、血の塊が詰まる病気である血栓症です。今年の「サーキュレーション」という専門誌に発表された論文によると、「O型」と比較してそれ以外の血液型では、「深部静脈血栓症」や「肺塞栓症」といった静脈血栓症が、最大で2倍くらい多いという結果になっていました。特に「AB型」が最もそうした病気にかかりやすかったのです。その原因は、血液の中にある血液を固める時に必要な物質が、「O型」以外では多いためと考えられています。

 血液型は変えられませんから、心配しても仕方ありませんが、「AB型」の人は血液がドロドロにならないように、より気を配った方が安心かもしれません。

2 / 2 ページ

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。