本当は危ない“正常値”を見逃すな

高血圧治療 始める前に知るべき3つのチェックポイント

(C)日刊ゲンダイ

 健診で「血圧が高い」と言われたら、次の3つを検討してください。

 ①24時間のホルター血圧計

 血圧の日内変動を調べられます。血圧は一日の中でも変動し、それは個人差が大きい。24時間のホルダー血圧計の検査なら、自分の血圧の現状を正しく知ることができます。寝ている間も高い場合は薬を飲む必要がありますし、その場合も血圧コントロールに最も適したものを選べます。

②PWV検査

 全身の血管年齢と血管の硬さを調べる検査です。高血圧は動脈硬化の原因になるので治療が必要ですが、この検査で動脈硬化の程度がわかります。

 年齢と共に、血管は硬くなります。特に高血圧の状態が長く続いていた人は、必ず行ってほしい検査です。高血圧が続くことで一番心配なのが、動脈硬化がダメージを与える心臓と腎臓なので、あわせて、心臓と腎臓も経時変化を見なくてはなりません。

③年齢

 血圧の基準値は「年齢別」ではないことが問題です。人間は加齢とともに血管が硬くなり、健康体でも少し血圧が高めになるのは自然なこと。高齢者で血圧が基準値を超えていても、治療が必要とは限りません。96歳の現役女医、梅木信子先生は「年を取ったら、血圧は少し高めの方が元気よ」とおっしゃいましたが、まさに私もそう思います。

 さて、3つの項目をチェックした後、高血圧対策のために「栄養」「運動」「薬」を考えるのがベストです。減塩を主張する声も聞こえますが、「やみくも減塩」には注意してください。

 天然の塩には、心臓の筋肉の収縮と弛緩に重要な働きを担うマグネシウムが含まれています。心臓を動かすエネルギーを作り出すビタミンB群の吸収も妨げられることがあります。自然塩での手作り食なら、取り過ぎはほぼありません。一方、加工食品やインスタント食品の精製塩の含有食品は避ける方がよいでしょう。

佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。