3つ目のタイプ「下痢を伴う血便」は、消化管内での炎症が疑われる。近年増えているのが、潰瘍性大腸炎だ。
「下痢に加え、血が混じったねばねばした粘液が便に付着しています。“トマトケチャップ様”とも表現します」
■命にかかわるケースも
潰瘍性大腸炎は、軽症例が多く、重症ですぐに手術が必要な劇症例はごくわずか。大腸がんが考えられる血便のように、「すぐ病院へ」というほどではないが、早い段階で専門医の診察・治療を受けた方がいいのは間違いない。
「潰瘍性大腸炎は免疫機能が大腸を攻撃する病気で、便の回数が増え、出血や下痢が症状です。難病指定を受けていて完治は難しいですが、薬物治療で症状の出ない状態を保つことができます。QOL(生活の質)を高める意味でも、専門医の診察・治療が求められるのです」