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【膝関節の自家培養軟骨移植】鎌ケ谷総合病院/整形外科リウマチ科(千葉県鎌ケ谷市)

鎌ケ谷総合病院/整形外科リウマチ科の望月猛副院長(提供写真)

 これまで軟骨の欠損の治療は、「骨軟骨移植法」が行われてきた。体重のかからない膝の他の部分の軟骨と骨の一部を直径5~10ミリの円柱状に採取し、一つ一つ欠損部に埋めていく移植法だ。

 欠損が広範囲になると侵襲も大きく、対応が難しい。移植部分がきれいに埋まらず、隙間ができると再受傷しやすいなどの問題があった。さらに従来の移植法の軟骨の生着率は、年齢が上がるにつれて悪くなる。

■入院は3~5日で1週間後に抜糸

「これらの欠点を補えるのが自家培養軟骨移植です。少量の軟骨を採取するだけで大量に培養できる。0.4グラムの軟骨から直径25ミリ(面積約5平方センチ)の円状シートが3個できます。これだけあると、膝に体重がかかる軟骨表面積をすべてカバーできる量になります」
 関節鏡を使って、実際の治療では念のため0.4~0.5グラムの軟骨を採取する。培養期間は4週間。その後、従来の移植と同じように膝を切開して、培養した軟骨シートを欠損部分に縫いつける。入院は3~5日で、1週間後に抜糸になる。

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