震災後の健康被害 これからが危ない

<第2回>目の病気「角膜潰瘍」「緑内障」「ドライアイ」に気を付けろ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「熊本・大分では1000回に迫る余震が続いているそうですが、この病気は強いストレスだけで発症することもあります。目の中に異物を感じる、光がまぶしく涙が出る、痛い、という場合は我慢せずに眼科を受診することです」

 被災者のなかには緑内障の点眼薬を使っていながら「震災で薬が手に入らなかったことをキッカケに点眼をやめた」という人もいるだろう。治療中断の恐ろしさを知っておくべきだ。

■一度失われた視神経は復活しない」

「原発性開放隅角緑内障は、眼圧が高くなることで視神経が障害を受け、視野が狭くなって視力を失う病気です。緑内障の薬はそれを防ぐため眼圧を下げる働きがあります。これを中断すると、視神経が圧迫され、徐々に視神経が失われていきます。一度失われた視神経は復活しません」

 さまざまな目のトラブルの原因となるドライアイも震災後に自覚症状が出やすい。「東日本大震災前後のドライアイの変化」という研究論文によると、ドライアイ患者30人のうち17人が震災後に症状の悪化を自覚したという。悪化した時期が半年以内が18%、それ以降が82%だった。原因は震災後の継続的なストレスによるものだという。

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