まず、パソコンでノートを取ると、手書きより速いスピードで、より多くを記録することができます。手書きでは1分間に22文字なのに、タイプだと33文字まで可能といわれています。
80人の学生を対象に行った実験では、パソコンを使った学生は授業の直後には内容の多くを記憶していましたが、24時間後になると、手書きした学生の方がより多くを覚えていたそうです。さらに1週間後になると、その差はますます開きました。
手で書くことで内容がより深く記憶される。パソコンより記録できる文字数が少ない分、書きながらいったん脳で整理され消化されているため、より記憶を呼び覚ましやすいというのです。
逆に最悪なのは、パソコンで一語一語正確に打つこと。「きちんと打つ」という行為に集中し過ぎてしまうことが問題だといいます。
▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。