医療数字のカラクリ

帯状疱疹の治療薬「ソリブジン」 本当の効果を検証する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 帯状疱疹の治療薬「ソリブジン」は抗がん剤との併用により多くの患者の死亡を引き起こし、発売後間もなく市場から姿を消しました。今回はその効果について考えてみましょう。この薬は抗がん剤の併用さえなければ、安全で効果の高い薬だったかもしれないからです。

 そのために注目したのが前回同様、第2相臨床試験の治験として行われた実験です。

 226人の帯状疱疹の患者さんに対し、プラセボ(偽薬)を対照として1日の薬の投与量が「30ミリグラム」「150ミリグラム」「300ミリグラム」の3グループの効果を、投与終了時の7日目と、試験終了時の3週間目で比較・検討しています。

 その結果も意外なものでした。1週間のソリブジン投与直後において、疼痛の消失率はプラセボ群で16.7%に対し、30ミリグラム群で30.8%、150ミリグラム群で40.0%、300ミリグラム群で30.8%とソリブジン群で高い傾向にあります。

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