震災後の健康被害 これからが危ない

<第3回>ストレスを軽減しない限り発症リスクは抑えられない

(C)日刊ゲンダイ

 心不全にも注意した方がいい。

「心不全の増加は震災発生から6週間継続すると報告されています」

 心血管イベントの発症リスクを抑えるには6時間以上の睡眠、30分以上の歩行、十分な水分補給を心がける必要がある。

「食事は減塩に努め、緑黄色野菜や果物などカリウムを意識してください。それが不足すると不整脈になります。体重の増減にも気を配りましょう。体重が2キロ以上減った場合は脱水や栄養障害が、逆に2キロ以上増えた場合は心不全や慢性腎臓病の悪化が考えられます。また、喫煙は血圧を上昇させ、血液を固まりやすくします」

 なお、脳や心血管イベントの発症リスクが高い高齢者の多くは、これらの予防策すら十分にできない。被災地ではふくらはぎをもむより、ストレスを軽減するため、余震の心配のない安全な場所へ避難させるべきだ。

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