役に立つオモシロ医学論文

職場でコーヒーを飲む医師 多いのはどの診療科?

(C)日刊ゲンダイ

 コーヒーにはカフェインが含まれており、作業効率向上や集中力の維持などに効果があると考えられています。眠気覚ましにコーヒーを飲む方も多いでしょう。医療の現場でも、過酷な労働条件で最大のパフォーマンスを発揮すべく、コーヒーを飲む医師は多いようです。

 ただ、従事する診療科(専門)ごとに医師の業務内容は大きく異なります。

「どのような医師が最もコーヒーを摂取しているのか」――そんな調査結果が英国医師会誌電子版に2015年12月16日付で掲載されました。

 この研究はスイスの病院に勤務する医師766人を対象にしたもので、職場でのコーヒー購入パターンを後ろ向きに調査しています。「内科」「一般外科」「麻酔科」「放射線科」「整形外科」「婦人科」「神経科」「脳神経外科」など、医師が従事する「診療科別」や、医師の「性別」、また経験年数の多い「ベテラン医師」「若手医師」など医師の階層別で、年間のコーヒー購入量を比較しています。

 調査対象となった医師の84%にあたる644人が職場売店でコーヒーを購入していました。診療科別では、整形外科医の年間の購入量が189杯と一番多く、次に放射線科医177杯、一般外科医167杯と続きます。最も少なかったのは麻酔科医で39杯でした。

 また、女性医師(86杯)に比べて男性医師(128杯)で多く、若手医師(95杯)に比べて5年を超える経験を有するベテラン医師(140杯)の方が多いという結果になっています。

 この研究では、自宅でのコーヒー摂取状況については考慮されていませんが、多くの医師でコーヒーを飲む習慣があることがうかがえます。特に外科系のベテラン医師はコーヒーをよく飲んでいるのかもしれません。

青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。