“こぶとり爺さん”もガンだった? 「耳下腺腫瘍」に要注意

違和感に気づいたら早めに受診を(C)日刊ゲンダイ

■誰でも発症する可能性あり

 この耳下腺腫瘍は大半が命に影響がない良性腫瘍だ。しかし、良性腫瘍の可能性が高いという場合でも安心はできない。

「耳下腺腫瘍の悪性腫瘍(がん)は、組織型が多岐にわたり、悪性度が低いものもあります。この低悪性度の腫瘍は、良性腫瘍との鑑別が難しい」

 さらに、良性腫瘍にも「多形腺腫」や「ワルチン腫瘍」などの種類があり、最も数を占める多形腺腫は後にがん化することがある。どんな多形腺腫が、いつがん化するのか分かっていないというから、注意が必要だ。

 良性でも悪性でも、耳下腺腫瘍の治療は基本的に手術となる。前述のように「良性腫瘍と低悪性度の区別が難しい」「良性腫瘍の中にもがん化するものがある」といった理由に加え、消化器系のがんや呼吸器系のがんなどでは一般的に行われる生検が、耳下腺腫瘍では術前にできないため、手術が選択される。

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