薬に頼らないこころの健康法Q&A

心のケア不要 被災者に必要なのはプライバシーと薬剤確保

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ

 今回の震災後、すでに25日が経過した現在は、被災者の生活習慣の改善が課題となります。精神保健ボランティアたちは、「睡眠」「食事」「運動」「節酒」など、健康維持の原則を被災者たちに説いています。そのような活動は一見すると地味であり、テレビ番組としては映えないかもしれません。しかし実際には、「心のケア」のお決まりのドラマより、はるかに意義があり、尊い活動です。

 災害復興は長期戦です。被災者の心身の健康が第一だということに変わりはありません。

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井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。