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【腹部ヘルニア】聖路加国際病院・ヘルニアセンター(東京都築地)

左は聖路加国際病院・ヘルニアセンター(東京都築地)の柵瀨信太郎センター長(日本ヘルニア学会理事長)(C)提供写真

 腹壁ヘルニアには、太ももの付け根周辺に膨らみが現れる「鼠径部ヘルニア」(3種類ある)、腹部の手術後の傷痕に起こる「瘢痕ヘルニア」「臍ヘルニア(出べそ)」などがある。

「ヘルニアは立ったり、腹圧がかかると飛び出します。このとき、鈍痛や違和感などがある場合もあれば、無症状の場合もある。この時点では緊急を要しませんが、経過観察していても鈍痛の悪化によって手術が必要になる可能性は毎年10%ずつ高まります」

■原腔鏡では再発率0%

 頻度は低いが、ヘルニアの穴に腸管などが入り込んだまま戻らなくなる「嵌頓」の状態になると腸閉塞や腸管壊死が起き、緊急手術が必要となる。

「ですから、全身状態に問題がないうちに自分の都合に合わせて治すことをお勧めします。重い持病のある高齢者で無症状の場合には、手術せずに経過観察することも許されますが、嵌頓時の状態、対応をよく理解しておくことが大切です」

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