病院は本日も大騒ぎ

若い看護師が家族から「オシッコ臭い」と言われ

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは! 看護師資格を得て30年。現在は関東圏の総合病院に勤務している看護師のトモヨです。

 私はこの職業にやりがいを感じて飛び込んできましたが、若い頃は何度となく辞めたくなることがありました。

 意見の食い違いで患者さんとぶつかり、医師とぶつかり、看護師同士でぶつかる……。自分の思いが通じないときは泣きたくなったものです。

 それはいまの時代も変わらないようで、経験が1年にも満たない若い看護師からこんな相談を受けたことがありました。

「帰宅したとき、家族から『オシッコ臭いな』と言われ、ショックを受けました」

 そう涙目で訴えてきたのです。

「尿検査」は、どこの病院でも行う基本的な検査項目のひとつです。糖尿病、腎臓病系、肝臓病系、尿路系などの病気をすぐに判断できるメリットがあります。また「検尿」は、レセプト(診療報酬)から外されることがない、病院にとって稼ぎの良い検査でもあります(笑い)。

 その尿検査を担当する看護師は、毎日毎日患者さんの「尿」と向き合わなければなりません。

 困るのは患者さんが指示通りに検査をしてくれないことです。紙コップを手渡し、「少量でいいですよ」と説明しても、あふれるほど持ってくる患者さんも少なくありません。

 もちろん私も経験していますが、一日中「尿検査」業務を繰り返していると、どうしても尿の臭いが肌や髪につきます。恋人がいる若い看護師にとっては、遠慮したい仕事と思うのも当然です。でも、これが看護師の職務であり、大切な仕事なのです。

 そうした看護師の悩みを解消するために、病院によっては期限を切って職務を交代させるようにしています。しかし、看護師が少ない小さな病院ではそのゆとりがありません。そのため「尿検査」を担当せざるをえない若い看護師の中には「いじめ」と感じる人もいるかもしれません。

 臭いに敏感な看護師は、終業後、丹念にシャワーを浴びるとか、少しきつめの香水をつけるなど工夫をしているようです。

 強い香水を漂わせる若い看護師は「遊んでいる」などと思われがちですが、そういう事情があることもわかっていただきたいものです。