1960年代に日本でも放映された米国のSFドラマ「スター・トレック」を覚えておられる人も多いと思います。といっても、劇中で使われていた「メディカル・トライコーダー(MT)」をご存じの方は、かなりのマニアに違いありません。
マッコイ医師が肩にさげていた弁当箱サイズの装置で、人体をスキャンしてあらゆる病気・ケガを診断できるという優れものでした。その後、シリーズを重ねるごとに小型化され、今世紀に入ってからはスマートフォンに似た大きさと形状になっています。
長らく、MTは架空の装置に過ぎませんでした。ところが2012年に状況が一変します。米国の通信大手であるクアルコム社が、「実用的MTのコンテスト」を呼びかけたのです。1等賞金は1000万ドル(約10億円)。最終結果は来年にならないと分かりませんが、当初は世界中から300チーム以上のエントリーがありました。その後、段階的に淘汰され、現在は10チームほどが残っています。
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