愉快な“病人”たち

元ラグビーA日本代表・酒井宏之さん(43)精巣がん

中大ラグビー部のヘッドコーチを務める(C)日刊ゲンダイ

 とにかく気持ち悪くて、トイレの便器に向かって吐くか、病室の天井を見てるかだけでした。寝ると怖い夢ばかり。ニオイに敏感になり、病院の食器のニオイもダメ。ずっと二日酔いが抜けないような状態で、体温調節もできず、夏場なのに寒くて仕方がなかった。

 がんから本調子に戻るまでの2~3年は運気も悪くて、投資話や怪しい誘いも多かった。芸能事務所を設立してアジア進出しようなんて話を持ちかけてきた人がいたのですが、後でその人が詐欺と暴行で捕まって……。僕もうっかり犯罪に関わるところでした。

 昔、ある占いのおじさんから「35~36歳は試練の時期」と言われていたんですけど、まさにドンピシャ。「危なかった」と思うことが多々ありました。

 そんな中、35歳の時に次男を授かりました。抗がん剤の影響で、もう子供はできないと言われていたし、例の“試練”で不運が続いていたのでうれしかったですね。

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