独白 愉快な“病人”たち

元ラグビーA日本代表・酒井宏之さん(43)精巣がん

中大ラグビー部のヘッドコーチを務める(C)日刊ゲンダイ

 ただ、息子は先天性心疾患と眼瞼下垂でまぶたが目を覆っているような状態で産まれてきました。これは明らかに僕のがん治療のせいだと思い、自分を責めました。でも、息子は2歳の時にまぶたの手術で視界が開けたと同時に、性格がガラッと変わって、積極的になり、今ではクラスのリーダー。たくましく育っています。

 僕自身は13年から中央大学ラグビー部のヘッドコーチに就任し、指導者の道を歩んでいます。中大ラグビー部は伝統ある強豪チームですが、就任当時はやや低迷気味でした。でも今は学生たちの目の色も変わり、強くなる手応えを感じています。

 夢は、中大で日本一になることと、教え子が日本代表としてW杯や五輪に出ること。それから、テレビが好きなので、番組に出演したいですね!

▽さかい・ひろゆき 1972年、東京都生まれ。大東文化大学を経て、リコーに入社。ラグビー日本A代表、リコーラグビー部の主将を務める。2002年に俳優に転向、「最強の男は誰だ!壮絶筋肉バトル!!スポーツマン№1決定戦」「SASUKE」など最強アスリートとして頭角を現す。13年から中央大学ラグビー部ヘッドコーチに就任。現在、北区王子で小学生にラグビー体験教室を開催中。

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