世界が注視する最新医療

痛みナシ&たった5分で計測 最新「血液検査装置」に期待

自宅でできるようになる?(C)日刊ゲンダイ

 米国内で今年の10月発売予定。ただし、日本での発売はまだ決まっていません。

 データをNueon社のサーバーに送って保存することもできます。サーバーに蓄積されたデータをもとに、最適な運動やサプリメントをアドバイスするサービスも用意されています。

 しかし、そうした情報サービスは、医薬・サプリメント業界やフィットネス業界などにとって、大きな脅威になるかもしれません。

 Nueon社がどの会社のサプリメントを推奨するか、どのフィットネスクラブを勧めるかによって、売り上げが左右されるかもしれないからです。

 同様のことは、前回お話ししたメディカル・トライコーダーにもいえることです。それらの企業には、黙っていてもユーザーの健康情報が入ってくるため、健康産業の最上流を押さえることができるようになるのです。

 これからの健康産業は、患者・一般ユーザー向けの検査端末と情報技術を上手に組み合わせた企業が勝者になりそうです。大企業といえども、うかうかしてはいられません。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。