役に立つオモシロ医学論文

末期がんの患者 入院より自宅にいる方が長生きできる?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 末期がんの患者さんには、ご自宅で死を迎えたいと願う人が多いようです。しかし、在宅医療では提供できる医療が限られてしまう印象があったり、入院治療の方が生命予後が良いのではないか、と思われる方もいらっしゃるでしょう。「BioMed Central」(学術論文大手出版社)の緩和ケア専門誌(2015年3月19日付)に、在宅ケアと入院ケアを比較し生存期間を検討した観察研究の論文が掲載されています。

 この研究はがん患者を対象とし、病院で緩和ケア治療を受けた入院ケアグループ(69人)と、患者宅において緩和ケアチームと連携した医師による在宅ケアグループ(69人)を比較し、生存期間を検討しました。

 研究対象者の平均年齢は70.7歳で、結果に影響を与え得るような、「年齢」「性別」「抗がん剤使用」「全身状態」などで調整して解析しています。

 その結果、生存期間の中央値は在宅ケアグループで「67日」、入院ケアグループでは「33日」と、在宅ケアグループで統計的にも有意に長いことが示されました。

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青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。