どうなる! 日本の医療

日本の薬価決定システムは国を滅ぼす

厚生労働省(C)日刊ゲンダイ

 人が持つ「がん免疫監視システム」を正常に戻すことで、がんを消滅させる薬――。2014年発売以来、世界中のがん研究者から熱視線が注がれているのが、皮膚がん(メラノーマ)治療と肺がんの非小細胞肺がんの抗がん剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ=小野薬品工業)だ。しかし、この抗がん剤、薬価でも日本の医療界に大きな波紋を投げかけている。

 4月6日の日本医師会の定例会見で、中川俊男副会長はオプジーボの薬価を念頭にこんな発言をした。

「効能が追加されて市場が拡大すれば、(必要な)原価が下がったはず。薬価は2年ごとに改定されるが、すでに保険が使える医薬品でも新たな効能・効果が追加された際には、2年を待たずに薬価を下げるべきだ」

 この背景には、「オプジーボ」の高すぎる薬価と、それを認める日本の薬価決定プロセスに問題ありとの意見が多いことがある。

1 / 3 ページ

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。