人が持つ「がん免疫監視システム」を正常に戻すことで、がんを消滅させる薬――。2014年発売以来、世界中のがん研究者から熱視線が注がれているのが、皮膚がん(メラノーマ)治療と肺がんの非小細胞肺がんの抗がん剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ=小野薬品工業)だ。しかし、この抗がん剤、薬価でも日本の医療界に大きな波紋を投げかけている。
4月6日の日本医師会の定例会見で、中川俊男副会長はオプジーボの薬価を念頭にこんな発言をした。
「効能が追加されて市場が拡大すれば、(必要な)原価が下がったはず。薬価は2年ごとに改定されるが、すでに保険が使える医薬品でも新たな効能・効果が追加された際には、2年を待たずに薬価を下げるべきだ」
この背景には、「オプジーボ」の高すぎる薬価と、それを認める日本の薬価決定プロセスに問題ありとの意見が多いことがある。
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