「オプジーボ」の薬価は、100ミリグラム1瓶で72万9849円。この薬を非小細胞肺がんの患者に1年間投与すると、約3500万円かかるという。薬価決定に詳しい薬剤師が言う。
「新薬の価格のつけ方には、類似薬効比較方式と原価計算方式があります。オプジーボのように画期的新薬は後者で決めます。大まかに言うと、開発にかかった費用などを、売れる見込みの薬剤数で割り、そこに1瓶あたりの材料費を足すという方法です」
オプジーボの最初の認可は、患者数予測がピーク時でも患者500人ほどのメラノーマ(悪性黒色腫)だった。当然、1瓶あたりの値段は跳ね上がる。
「その後、この薬が非小細胞肺がんにも効果があると分かり、そちらも認定を受けたのです。患者数は約10万人で、うちオプジーボ投薬対象者の推計は5万人。このため製薬会社は“予想外の収入”を得たとみられますが、一度決まった薬価は変わっていません」(前出の薬剤師)
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