本当は危ない“正常値”を見逃すな

タンパク質分解する「γーGTP」 数値から見る最初の対策

アルコールが主の原因か否かで最初の対策が分かれる
アルコールが主の原因か否かで最初の対策が分かれる(C)日刊ゲンダイ

 γ─GTPは肝臓や腎臓、脾臓、血液中に存在し、「GOT」や「GPT」と同様にタンパク質を分解する酵素です。解毒に関係しているため、アルコールや薬などで肝細胞が壊された時に血液に出てきて数値が高くなります。基準値は、男性50(IU/l)、女性30です。

 このγ-GTPが高い場合、アルコールが主の原因か、そうでないかで最初の対策が分かれます。アルコールによるものなら禁酒を優先してください。特に100を超えたら、意識して禁酒に努めなくてはなりません。

 アルコールを摂取しないけれどγ-GTPが高い場合は、脂肪肝が疑われます。近年、「ナッシュ」と呼ばれる非アルコール性脂肪肝が注目されているのです。

 これらの人の血液検査を見ると、共通しているのが「高糖質、低タンパク質」。食事量は多くても、体に必要な栄養素が十分に足らない「現代型栄養失調」です。対策として、糖質を制限し、タンパク質を積極的に取ってください。体重がオーバーであれば、減量も視野に入れて食生活の見直しを。食物繊維が豊富な野菜から食べ始め、糖質は最後に少量食べる習慣を身に付けてください。

 解毒機能修復の栄養素グルタチオン食材もしっかりと。ホウレンソウ、キャベツ、キュウリ、ブロッコリー、カボチャ、牛レバー、マダラ、赤貝などに含まれています。

 さらに、GOTとGPTの関係も押さえましょう。この2つの数値の差が開くと、肝炎の可能性が高く、また、ビタミンB6欠乏が疑われます。

 ビタミンB6はタンパク質の代謝、脳の神経伝達物質の合成、肌の機能に関与するといわれ、欠乏すると体にダメージを与えるのです。GOTとGPTの差が大きいようなら、ビタミンB6が豊富な卵、鶏のササミ、マグロ、サンマ、サケなどを多く食べるようにしましょう。

佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。