そのためには、①自殺には世代ごとに差があり、40、50代が好発年齢である②日本の人口ピラミッドでは1947年から49年までの3年間の出生数が際立って多い――以上の2点を思い起こすことが必要です。
■4年前に団塊世代が自殺好発年齢を通過
1947年から49年までに生まれた「団塊の世代」は、出生数約806万人で、その後の3年間より24.3%も多く、近年の330万人前後と比較すると約2.5倍に相当します(厚生労働省「人口動態統計」)。陽水が「傘がない」を歌った当時は、団塊の世代は23~25歳。つまり、若者が急増した時代でした。
20代は本来、自殺好発年齢ではありません。しかし、若年者の総数が増えれば、当然、若者の自殺数も増えます。つまり、「傘がない」の時代にあっては、自殺する若者が増えたというよりも、若者の総数が増えたので自殺する人も目立ってきたにすぎなかったのです。
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