危ない 薬の勘違い

災害時にはカルテに…薬剤師が語る「お薬手帳」の重要性

非常時にも役立つ(C)日刊ゲンダイ

 熊本地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。先月、薬剤師会からの依頼で、避難所での診療をする医療支援活動に参加しました。

 震災後1週間も経過すると、高血圧や糖尿病などで普段から薬を服用していた方が、その薬の継続を求めるケースが多くなります。医療支援が入った時、避難生活を送られている方々は「薬がもらえる」と期待して診察を受けられますが、そう簡単ではありません。

 被災地では提供できる薬が限られるうえ、カルテなどの情報も何もないため、その患者さんにどの薬がどれだけ必要かがまったく分からないからです。

「今まで何という薬を飲んでいたのですか?」と尋ねると、「心臓の薬です。一番軽い薬と聞いています。白くて丸い錠剤で、それがなくては困るんです」といった答えが返ってきます。しかし、こうした情報だけでは我々は手も足も出ません。

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金田崇文

1979年、東京都生まれ。千葉県立船橋高校を経て岡山大学薬学部を卒業。2004年からこやま薬局(岡山県)に勤務。管理薬剤師を務めながら、各地で薬や健康をテーマにした講演活動を行っている。