体内に“接着剤”も 「下肢静脈瘤」治療事情が激変していた

右が「スーパーグル―治療」(榊原直樹医師提供)

 しかし、世界はもっと安全で確実な治療法が進歩している。保険適用外になるが、話題の最新治療が2つある。ひとつは第2世代から大幅に進歩した「次世代型」のレーザー治療だ。

「一定間隔の断続的なパルスレーザー照射方式のため、治療部位が高温にならない。問題視されていた皮下出血と血栓の率は0%。鎮痛剤が必要なのも3%程度です」

■“傷口は”絆創膏でペタリ

 もうひとつは「スーパーグルー治療(日本では名称は未定)」。人体に害のない接着剤を血管内に入れ(写真①)、超音波の「探触子(センサーの役割を担う)」で静脈に圧を加え、静脈の血管壁をくっつけて血液の流れを遮断し(写真②)、血管を塞ぐ。

「レーザーやラジオ波のような熱を使わないので皮下出血、痛み、血栓ができない。皮膚にできる傷は、接着剤を入れるためにできた『刺し口』で、一般的な注射でできる針穴程度。多量の麻酔薬を必要とせず、患者の負担が非常に軽くなる」

3 / 4 ページ

関連記事