独白 愉快な“病人”たち

大桃美代子さん 原稿の一部がぽっかり見えなくなり手術を決意

病気になり「見えることのありがたさ」を知った(C)日刊ゲンダイ

 そうはいっても、術後4~5時間で驚くほどクリアな視界になったので感動しました。「この部屋、こんなにホコリや髪の毛があったんだ」って気づいちゃったりして(笑い)。それほど見えていなかったってことなんです。

 手術に際しては、眼内レンズを「単焦点」にするか「多焦点」にするかを決めなければなりません。単焦点は遠いか近いかどちらかに焦点を合わせたレンズで、多焦点は遠近両用レンズ。多焦点のほうが便利そうだし、こちらを勧める医師も多いと聞きますが、公的医療保険の適用外なので単焦点の何倍も高価になります。迷うところですが、必ずしも多焦点レンズがいいとは限らないようです。考え方としては、個人のライフスタイルを基準にすること。私は本や原稿を読むことを重視したので、単焦点にしました。知り合いの眼科医にも「それが正解」と言われ、ホッとしました。

 緑内障は視野が欠ける病気で、最悪失明するといわれますが、今のところ自覚はありません。眼圧を上げないための点眼薬を毎日欠かさないことと、血圧を上げない食事を心掛けています。さらに、網膜の再生を助けるといわれるサプリメント「ルテイン」を飲み、ブルーライトをカットする眼鏡を愛用して、目が疲れたらすぐ休むようにしています。

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