漢方達人をめざせ!

更年期障害を疑う前に…

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 知人女性のAさん(43)の相談内容は、更年期障害についてでした。

「なにが」とは言えないけど、重いような、だるいような不快感があり、体がスッキリしない。さらに、ちょっとしたことでイラッとする。

 生理は、不定期になっているものの、まだ“終わっていない”とのこと。年齢から更年期障害を疑い、婦人科を受診したところ、女性ホルモンの測定値はさほど低くなかったといいます。

 閉経を迎える前後の期間(40代半ばから50代半ば)を更年期といい、それによって生じる不調を更年期障害といいます。症状の程度は女性ホルモンの値と必ずしも一致せず、基準値内でも「日常生活を送るのがつらい」と訴える方もいます。

 ただ、以前からAさんを知っている私には、更年期障害というより、不規則な生活習慣に問題があるように思いました。

 Aさんはジャンクフードが中心の食生活で、食事時間もバラバラ。女性の40代はさまざまな体の変化を迎えますから、これまでは若さでなんとかなってきたことも、体の大きな問題を招く原因になりかねません。

 漢方薬の前に、まずは規則正しい生活習慣を取り入れ、ゆっくりした入浴や好きなアロマを嗅ぐなどして、「気持ちをリラックスさせるように努めてください」とアドバイス。

 Aさんはそれを実行に移してくれました。ガラリと生活を変えたのです。結果、不快感もイライラも解消。本格的な更年期に突入する前に「よい生活」を取り入れられたのは、Aさんにとって非常によいことだったと思います。

久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。