介護を助ける“切り札”はコレだ

癒しロボット 脳トレ機能付きのヒト型やアザラシ型が登場

人型ロボットの「Pepper」
人型ロボットの「Pepper」/(提供写真)

 総務省によると、高齢者単身世帯数は470万世帯。「1時間に3人(65歳以上)が孤独死」(ニッセイ基礎研究所調べ)している。20年後には、65歳以上の人口が33.4%に増加し、日本は3人に1人が高齢者という世界に例のない老人大国になる。

「だからでしょうか、ソフトバンクのロボット『Pepper』の介護専用アプリ『まいにちロボレク』は4月に発売を開始しましたが、問い合わせが多くなっています」

 こう語るのは「まいにちロボレク」を開発した「㈱ロゴス」(長野県長野市)社長の若林秀幸氏だ。

「Pepper」は身長120センチのヒト型ロボットで、「まいにちロボレク」の機能は「言語系頭脳トレーニング」(読み書き)、「計算頭脳トレーニング」(出題された計算問題に回答する)、「運動トレーニング」(頭、両手、両足等に触れるとロボットが体操を始め、その操作に合わせて運動する)などがある。

 レクリエーションバリエーションの増加、徘徊通知機能等も、開発の途上にあるという。
「自宅でお孫さんと一緒に遊んでいると思ってください。現在、4種のアプリを入れていますが、要望によって会話などの追加も可能です」(若林氏)

 孤独な独り身の生活者に毎日、会話によって和みを与える。体を動かし、計算や読み書きも続けられることから、認知症の防止にも効果的だという。

「Pepper」の一般販売モデルは本体価格を含め3年間で100万円強かかる。

 また、同じロボットでも、「大和ハウス工業㈱」(東京本社=東京都千代田区)が販売しているのは「メンタルコミットロボット『パロ』」。ペットを飼うことができない主に単身高齢者を相手にしたロボットで、アザラシの赤ちゃんをかたどっている。

 人を元気づけ、安らぎを与えることが目的のロボットだ。センサーや人工知能の働きで人間の呼びかけに反応し、抱きかかえると喜んで声を出す。

 こちらは保証期間が1年で、税別価格は36万円だ。