どうなる! 日本の医療

死因究明システムの強化が必要

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 監察医制度がない地域では、警察嘱託医等が変死体について検案する。ところが解剖に至るケースは少ない。変死体の死因のほとんどが「心不全」となる事態も起きているという。

 阪神・淡路大震災時も、一般の医師が焼損した死体について付けた死因の大半は「焼死」だった。監察医なら、不完全燃焼ガスで死んだ後に焼けたか、建物倒壊で身動きできないまま焼死したかを見極める。それにより、震災対応としてどんな家屋が必要かが分かり、次の大震災の備えになるという。

 実際、監察医の「死因特定」が予防に役立ったケースがある。熱中症だ。東京都監察医務院では、熱中症の高齢者の死因特定により、「エアコン使用が少ない」「水分補給が少ない」ことを探り当て、具体的な熱中症予防法を見いだした。

 日本の脆弱な監察医制度と比較して、海外の監察医制度はどうか。米国はメディカル・エグザミナ―(ME)制度が各州ごとに完璧に確立されている。イギリスはコロナ―制度として、裁判所と同じくらいの権限を持つ。

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。