たとえ禁煙しても、やめてから10年未満では1.8倍ですから、リスクはあまり下がりません。小倉さんは、03年に禁煙するまで毎日3箱吸っていたようですから、過去の喫煙と膀胱がん発症との関連は否定できないでしょう。
もう一つ見逃せないリスクが、コーヒー。たばこを吸わない人の場合、ほとんどコーヒーを飲まない人の発症リスクを1とすると、毎日1杯以上飲む人は2.2倍。
膀胱がんを予防するには、たばこを吸わないこと。吸っている人はなるべく早く禁煙し、コーヒーもなるべく控える。そうした上で、1年に1回は健康診断で尿検査を受け、血尿の有無をチェックするのです。
実は、ステージ2でも膀胱を温存できる可能性があります。文太さんは、膀胱に直接抗がん剤を注入する動注化学療法と放射線治療を組み合わせて膀胱を温存。14年に亡くなるまで7年間、元気に生活されました。ステージが進んでも膀胱を温存できる可能性はありますが、早期発見に越したことはありません。尿検査は必須です。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁