■少年たちが抱える「攻撃性」
もっとも、「それでも少年たちは、『こころの闇』を抱えているのではないか」と問う人もいるでしょう。
彼らは「こころの闇」を抱えてはいません。彼らが抱えているものは何か。それは、かつて若者であった大人たちは皆、知っているはずです。そうです、彼らが抱えているのは「攻撃性」なのです。
そもそも、かつて青春ドラマに描かれた若者群像は、どれも乱暴な姿ばかりでした。高齢者世代にとって懐かしい映画を例にとれば、J・ディーン「理由なき反抗」(1955年)、石原裕次郎「太陽の季節」(1956年)、F・トリュフォー監督「大人は判ってくれない」(1959年)、A・ペン監督「俺たちに明日はない」(1967年)、P・フォンダ「イージー・ライダー」(1969年)など、どれも乱暴な若者が主人公です。
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