たばこが体に悪いことは分かっていても、禁煙はなかなか難しいのもまた事実です。
私もクリニックで毎日のように禁煙治療をしていますが、1日20本くらいまでの本数であれば、治療薬を使って比較的簡単に禁煙が可能です。しかし、それを超える本数になると、禁煙することによる離脱症状も強く、ハードルはなかなか高いのが実際です。
1日に多くの本数を吸う愛煙家が禁煙を決意した際、初日から完全に吸わないのと、今日は5本、明日は6本と、段階的に減量して禁煙を目指すのとでは、どちらが正しい方法でしょうか? 一概にどちらが正しいとは言えませんが、どちらの方法の成功率が高いかについては、最近、イギリスでの研究結果が発表されました。
それによると、ニコチンのパッチ(貼り薬)を使って禁煙治療を行った場合、「一気にやめた方が、段階的にやめるよりも禁煙の成功率は1カ月後にも半年後にも高かった」という結果になっています。
これは、ある意味で当然の結果です。つらいから段階的に減らそうと思っても、どうしても甘えが出てしまい、禁煙を先延ばしする結果になってしまう。何度も禁煙を口にしながらいまだにたばこをやめられない人は、大抵こういうパターンです。
たばこはやめると決意したら、四の五の言わず一気にやめる。つらくても禁煙する日を決めて、それ以降は一切たばこを手にしない。その方が成功率が高い。禁煙したい人は、そのことを覚えておきましょう。
医者も知らない医学の新常識