手術で“あり得ない位置”に…「乳房再建」にトラブル急増中

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最大の理由は、技術も経験も「乳房をきれいに再建したい」という熱意もない形成外科医が「乳房再建手術なんて簡単」と、こぞって乳房再建手術を始めたことにあるという。

「形成外科医でも、乳房再建は専門外がほとんど。専門外の医師が安易に取り組めるほど、乳房再建は簡単ではない」

 乳がん全摘後の乳房は、乳がんの場所や進行具合、乳房の脂肪の付き具合や形、乳腺外科医の手法など、さまざまな要因が絡み、患者によってすべて違う。

■「適当なのを…」とメーカーに頼む医師

 さらに乳房再建には、「患者がどういう乳房を望んでいるか」が関係する。ブラジャーを着けた時に美しく見せたいか、水泳が趣味で水着を着た時に自然な形に見せたいかによっても、目標とする「仕上がり」が異なってくる。

「それらすべてを検討し、大きさや形が違う42種類のエキスパンダーから適したものを選び、人工物での再建なら大きさ、形、軟らかさが違う212種類から1つを選ぶ。技術、経験、熱意のどれが欠けてもできません」

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