当事者たちが明かす「医療のウラ側」

医師にも職業病? 皮膚病や白内障になりやすいのは…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
都内の50代勤務医

 どんな職業にも、その仕事内容に応じた病気=職業病というものがつきものです。

 有名なのは、粉じんが舞う職場に多い「じん肺」と呼ばれる肺の病気です。肺の奥底にある肺胞や細気管支などに、目に見えない粉じんが入り込み、長い時間をかけて肺を硬くしてしまう病気です。

 チェーンソーや削岩機などを使う人は振動障害が起こりやすい。手指前腕の冷え、しびれから筋力が低下します。進行すると睡眠障害やイライラなどの精神障害が起き、手指の筋肉が萎縮して手術が必要になることがあります。

 医師やスタッフにも、そうした職業病があるようです。イタリアの新たな研究で、心臓カテーテル室の医師やそのスタッフは、その他の医師やスタッフと比べて皮膚病や白内障、高血圧、脂質異常症のリスクが高いことがわかったというのです。

 そもそも、X線の結果を見ながら行う心臓カテーテル室の医師やスタッフは、重い鉛エプロンを使うことから肩凝りや腰痛などがつきものですが、放射線被曝の影響も強く出ることがわかっています。

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