漢方達人をめざせ!

6月の梅雨シーズン 体の中も「水浸し」

(C)日刊ゲンダイ

 6月になると、食欲不振、頭重感、ふらつき、めまい、むくみなどに代表される体調不良を訴える人が増えます。病院で検査を受けても、なかなか異常は見つかりません。

 これら6月に増える体調不良は、東洋医学では「湿邪」によるものとしています。自然界を大宇宙、私たちの体を小宇宙とみなし、相互関係にあるというのが東洋医学の考え。これを「天人合一思想」と呼びます。

 梅雨のシーズンである6月は、自然界が“水浸し”なので、体も水、つまり湿邪の影響を受け、それらを原因とする不調が起こりやすくなるのです。さらに日本人は、体質的に湿邪をため込みやすいといわれています。

 日常生活のちょっとした工夫で対策を講じることができます。

 まず、運動で汗をかく。ウオーキングなど軽い運動で結構です。「雨で外を歩けない」「時間がない」というのであれば、「階段を使う」「地下街があれば歩いて移動」などでもOKです。

 次に、“黒いもの”を食べる。「腎」の働きをよくします。ヒジキ、ゴマ、黒豆などがいいでしょう。また、この時季は「苦いもの」もぜひ取ってほしい食材です。レタス、ゴーヤ、アスパラガスといった旬のものを積極的に食べてください。

「むくむから」と、水分の摂取を抑える人がいますが、適量の水分摂取は問題ありません。ただし、1日3リットルなど、必要以上の水分摂取で体を壊している人もいますので、ご注意を。

久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。