本当は危ない“正常値”を見逃すな

その後の対処法が明瞭 糖尿病治療前に5時間糖負荷試験を

血糖値測定(C)日刊ゲンダイ

 うつ病の相談で私のところにいらした方にも、調べてみると原因は低血糖で、それを引き起こしているのが糖尿病の薬物治療というケースが少なくありません。

 食後5時間の糖負荷試験では、30分置きに血糖値の変化を見ます。4時間以内に血糖値が50(㎎/dl)まで下がる方は、徹底した食生活改善で薬に頼らなくても血糖をコントロールできる可能性が高いのです。

 具体的には、ご飯、パン、麺類などの糖質の摂取を減らし、野菜や海藻、きのこ類で食物繊維を多めにとる。卵や肉の赤身など脂肪の少ない肉を意識して食べてタンパク質を積極的に摂取し、運動で内臓脂肪を燃やして筋肉量をアップさせます。

 これを2カ月間試してください。血糖値、HbA1cが改善していればOK。残念ながら数値が下がらなければ、その段階で改めて薬物治療を検討しても遅くないでしょう。

2 / 2 ページ

佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。