「この検査は足の付け根からカテーテルを挿入して、左右の副腎静脈から直接採血してアルドステロンの過剰を確認します。ただし、右副腎からの採血が非常に難しく、行う医師には高度な技術が必要です。それがPA診療の大きなネックになっているのです」
副腎静脈サンプリングは通常約3時間かかるが、熟練の外科医が行う同院では1時間前後。昨年、負荷試験でPAが確定した25例中、24例で成功。両側性15例、片側性9例が確認されている。
治療は片側性では腹腔鏡手術で片側全摘、両側性では薬物療法になる。
「片側性で全摘すれば高血圧が完治する場合もあり、高血圧が残っても薬の量が減らせます。両側性でもアルドステロン拮抗薬を含む降圧剤の服用で臓器障害が防げるので、治療効果は大きい」
薬でコントロール不能の高血圧はPAを疑い、精密検査のできる医療機関を受診した方がいい。
データ
東京と埼玉に3カ所の病院と8カ所の診療所などの施設を持つ医療法人財団健和会の一病院。
◆同科スタッフ数=医師7人
◆初診患者数(2015年)=282人、うち原発性アルドステロン症新規患者数=60人
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