病院は本日も大騒ぎ

夜勤は新人看護師の仕事? “夜の勤務表”めぐる熾烈な争い

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは! 関東圏内の総合病院に勤める若手看護師のトモ子です。

 先日、「国立大学看護労働実態調査」の中間報告が発表されました。私たちのナースステーションでも、その調査の中で、特に「夜勤」が話題になりました。

「看護師確保法・基本指針」では、夜勤日数が3交代制で月に8日以内、2交代制では月4日以内と決められています。ところが実態調査によると、3交代制による「夜勤」は、1カ月9日以上が「48.3%」、2交代では5日以上が「27.7%」でした。

 もちろん、「夜勤」が増えているのは慢性的な看護師不足が原因です。といっても、月に夜勤が8日以上になると疲労の蓄積がひどく、家庭を持つ看護師はロクに睡眠も取らないまま夜勤に入ることになります。

 こうした事情を分かった上で、看護師の夜勤のローテーション表を上手に作ってくれる看護師長がいる病院は幸せです。大抵は「夜勤はベテランも若手も公平に」と言いながら、ベテラン看護師の発言に押されてしまいますから……。

「あの娘は仕事ができないから、夜勤ペアを組むのは嫌」なんてワガママは当たり前。誰もが休みたいお盆やクリスマス、ゴールデンウイーク期間の夜勤などは大変です。「家族旅行がある」「身内の初盆」「子供の学校の行事予定が入っている」など、“伏線”を張る話題が数カ月前から飛び交います。

 一番熾烈なのは年末・年始です。「誰が病院で年越しをするか」を巡り、過去の勤務表を引っ張り出して師長と交渉する看護師もいます。

 それでも、若手の看護師にしわ寄せがくるのは変わりません。その結果、大みそかの病院の夜勤は新人看護師ばかりになってしまうのです。

 こうした不満からか、超忙しい都会の大病院では、25歳まで勤務を続ける看護師が珍しい存在になりつつあります。若手は、入院施設がなく、昼間の勤務だけで済むクリニックに移っていくのです。

 さまざまな事情をくんだ上で作った夜勤表が「深夜、深夜」「深夜、日勤」となる場合もあります。私は、夜勤をした後に継続して日勤になると“ハイ状態”になり、帰宅後は逆に疲労感が極度に達して、抜け殻になってしまいます。

 それでも私なんかはまだ恵まれています。小児科病院に勤務している友人の看護師は、「夜勤は月に15日」と言ってました。