今年4月、米国で「リードレスペースメーカー」が初めて薬事承認されました。
ペースメーカーは、脈が遅くなったときに作動して心筋に電気刺激を送り、心臓が正常に収縮するようにサポートする装置です。洞不全症候群など慢性的に脈が遅くなる徐脈の患者さんに対し、主として内科医による埋め込み手術が行われます。
従来のペースメーカーは、電子回路とリチウム電池が収まった「本体」、電気信号を伝える「リード線」によって構成されています。今回、承認されたのは「リードがないペースメーカー」で、日本でもすでに臨床試験が行われています。将来的には、保険適用の治療となる可能性は高いでしょう。
ただ単にリードがなくなるだけかと思うかもしれませんが、これは患者さんにとってかなり大きなメリットといえます。ペースメーカーのトラブルはリードに関係したものが多く、再治療のうち15%程度がリードのトラブルによるものといわれているからです。
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