介護を助ける“切り札”はコレだ

車いすの進化著しく 軽量化、折り畳み可で“電動”も登場

道路交通法では車いす=「歩行者扱い」
道路交通法では車いす=「歩行者扱い」(C)日刊ゲンダイ

 足の不自由な高齢者が散歩や買い物に出る際、頼りになるのが「杖」だ。しかし、年を重ねて筋力が衰えると、その杖すら役に立たなくなる。そのときは「車いす」が重宝される。

「要介護認定された方なら介護保険が適用され、車いすを1カ月500円程度からリースすることができます。購入するなら9000円ぐらいからあります。しかし、“車いすは格好悪い”“押してくれる人がいないから……”と、杖で歩けなくなると家に閉じこもってしまう方も少なくありません。それだと老いが早くなる。高齢者は車いすを使いこなす必要があります」

 こう言うのはヘルパーサービス「NPO法人アットホーム」(東京・町田)の伊東和慶代表だ。

 一見、操作性が高く、介助する人の負担は少なさそうな車いすだが、実際はそうとも言えない。そのため、最近は電動系の車いすが人気だという。

「ヤマハ発動機㈱」(本社=静岡県磐田市)は複数の「電動車いす」を販売している。ハンドリムをこぐ力をモーターが補助する電動アシスト車いす「JWスウィング」の価格は36万3000円からだ。

 介護用品、福祉用品を専門に、約1万点の物流を行っている「㈱ウェルファン」(本社=大阪府寝屋川市)も電動車いすの販売に力を注いでいる。

 お薦めは「スマートモビー」。折り畳み式で、重量はバッテリーを含めて25キロ。最高速度が時速6キロで、連続25時間、15キロ走れる。価格は26万7800円。

「スマートモビーはイギリスなどヨーロッパでも人気のようで、少し足が不自由でも、自分で行きたいところに行けるのが魅力になっています」(同社の清水正憲会長)

 気をつけたいのは、道路交通法ではこれらの電動車いすは車両ではなく「歩行者扱い」だということ。サイズも大きく、スピードも出るため、「危ないから車道を走れ」と言われることがあるが、車道を走ると違法になる。

 こうした電動車いすの使用について、前出の伊東代表は「電動ですので、認知症者などの利用は難しい。ただ医師の認定があれば、介護保険の適用も可能です」という。