もうひとつ、誤解を解きましょう。がんの痛みの治療に使われるのは、モルヒネに代表される医療用麻薬です。医療用とはいえ、麻薬とあることから、中毒性を心配されますが、処方通りに使用する限り、その心配はありません。日本の医療用麻薬使用率は、米国の27分の1。末期には、9割の方が痛みで苦しみますから、もっと使われるべきでしょう。
■まずは飲み薬で
緩和ケアでは、まず飲み薬で痛みを軽減。必要に応じて放射線でがんを小さくしたり、圧迫される神経を局所麻酔でブロックしたりする治療を加えます。神経ブロックは進行がんだけでなく、肺がんや食道がん、乳がんなどの術後にも効果的です。
日本人は痛みを我慢しがちですが、がんの痛みは我慢しなくていい。それが、この裁判の教訓です。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁