病気は住宅環境を変えることによって予防できるのではないか――。そんな考えからスタートした本連載だが、実際に住宅を建てている人たちはどう考えているのか。10年ほど前から「予病住宅」を造り続けている「ファミリア建設」(東京・東村山)の菊地英豊社長が言う。
「健康というと食べ物や飲み物ばかりが注目されますが、同じように体の中に直接入る空気への認識が低いのは問題です。人は1日に浴槽700~800杯分の空気を吸っています。それも、化学物質がたくさん使われている建材に囲まれた室内の空気を吸っています。そこ
に病気の遠因が隠れていないか、考えるべきです」
建築基準法では、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを発散する建材の使用制限を設けている。ただし、どの程度、ホルムアルデヒドを発散したらアレルギー症状などで健康を損ねるのかハッキリしておらず、その基準はあいまいだ。
健康は住まいがつくる