糖尿病、あるいは糖尿病予備群と診断されたら、血糖値やHbA1cとともに、「尿中微量アルブミン」もチェックしてください。
糖尿病で問題なのは、合併症です。食後血糖が高い状態が長く続くことで体内はグリケーション(生体内糖化反応)を起こし、特に血管の老化を促進させます。結果、網膜症、神経障害、糖尿病性腎症といった糖尿病の3大合併症、そして脳卒中、心筋梗塞などのリスクを高めるのです。
これらの重大病は、早期では自覚症状に乏しい。気付かないうちにジワジワと進行していきます。自分の血管がどのような状態かを知るのに役立つのが、尿中微量アルブミンなのです。
尿中微量アルブミンは、高血糖が長期持続し、尿中のタンパクや糖の量が過剰になっていることと同時に、細い血管(最小血管)が障害されていることを知らせてくれます。最小血管が障害されていれば、体内の太い血管(大血管)にも障害が表れます。
薬で血糖値やHbA1cがコントロールされても、尿中微量アルブミンが下がるとは限りません。私が血液診断を行っている方には食事の改善で血糖値も尿中微量アルブミンも下がり、薬物治療を行うことはなかったのですが、あのままでいれば今頃は糖尿病性腎症などの合併症になっていたかもしれません。
尿中微量アルブミンの基準値は30未満。この数値が測定のたびに上昇していれば要注意です。肥満解消、糖質制限、飲酒や喫煙習慣の見直しが必須です。
糖尿病の合併症発症にまで至れば、生活の質は著しく下がります。早めの対策が肝心です。
本当は危ない“正常値”を見逃すな