専門家が推奨 認知症は1日10分の「昭和歌謡」で予防する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「人間は35歳を過ぎると、自律神経のうちの交感神経が優位になります。自律神経とは、胃や腸、血管などの器官や組織をコントロールする役割を持ち、交感神経と副交感神経から成り立ちます。両者がバランスよく働けばいいのですが、交感神経が優位になると、アドレナリンが過剰分泌されます。すると血管が収縮し、血流が悪くなるので、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血の危険性が高まるほか、アルツハイマー型認知症の発症リスクにつながります。日本人のかかる認知症のうち、68%がアルツハイマー型なのです」

 科学的根拠も出ている。古くは50年代、フランスの耳鼻咽喉科医のアルフレッド・A・トマティス博士の研究だ。

「最も効果的なのは、モーツァルトの曲。彼の曲の周波数は、脳の働きを活性化し、ストレスを軽減、感受性を豊かにすると解明しています。例えば、『バイオリン協奏曲K207第1楽章』『ディヴェルティメント ニ長調K136 第2楽章』などはいいですね。4000ヘルツ前後の高周波音が、脳に強い刺激を与え、免疫系、脳神経系などの生体機能に良い影響を与えています。高周波数とはいえ、ピアノや弦楽器のゆらぎの音楽はいいのですが、ダンスミュージックなどの激しい音楽は筋肉活動を活発化し、交感神経を優位にするからダメ。クラシックや自然の音が好ましい。寝ているときに流すだけでも効果はあります。人間は聴覚が優れていますから、体は寝ていても脳には効果をもたらしています」

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