リスクは健康な人の約3倍 糖尿病が「難聴」を引き起こす

リスクは健康な人の3倍(C)日刊ゲンダイ

■新たな病気を呼び起こすことも

 それにしてもなぜ、糖尿病の人は難聴になりやすいのか?

「難聴は大きく2つに分類されます。外耳や内耳の音を大きくして伝える伝音機構の障害による『伝音難聴』と、内耳の感覚細胞から大脳までの音を感知する神経の障害による『感音難聴』です。糖尿病による難聴は、内耳の神経や血管が糖尿病によって損なわれるために発症するとみられていることから、感音難聴だと考えられています」

 音はまず、耳の穴(外耳道)で増幅され、それをリンパ液の波動として感じとる器官(蝸牛)へ送られる。これを「有毛細胞」が電気信号に変え、「ラセン神経節」(蝸牛の真ん中にある神経細胞)に伝える。最後に聴神経を介して、脳に伝わるというわけだ。

 ちなみに糖尿病患者の検視研究では、「内耳動脈硬化」「血管条の毛細管肥厚」「ラセン神経節の萎縮」などが報告されているという。

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