独白 愉快な“病人”たち

結核、紫斑病乗り越えた 医師・梅木信子さんの長寿の秘訣

現在96歳にして現役医師の梅木信子さん(C)日刊ゲンダイ

 長寿の秘訣? みなさんに「自然に生きなさい」って伝えたいですね。私は自然児、疲れたら寝る、お腹が減ったら食べる。よく年寄りは居眠りしてるでしょ? あの、ほんの数十分で数時間分の効果があるんですよ。眠くならなきゃこれ幸い、人生が長くなると思えばいいじゃない?

 大学の同級生は150人いたのに、もう8人しかいないの。首席だった人がね、いまは認知症だそうです。私はビリッコでした。頭の良さと、健康は関係ないのね。

 ただ、私はあと1年生きれば幸せ。その間に、お墓を処分して、財産を処分して。でも、お金は難しいわね。姪から「残していかないで」って言われるけど、いざ足りなくなったら困るしねぇ。あとは気になることはもうありません。(聞き手・岩渕景子)

▽うめき・のぶこ 1920年、大分県生まれ。23歳の時、結婚1カ月前に戦争で婚約者を失い遺影と結婚。50年、東京女子医専(現・東京女子医大)卒業。勤務医を経て、60年、40歳のときに東京・日野市で開業し89歳で閉院。現在96歳にして現役医師。近著に「ひとりは安らぎ感謝のとき」(KADOKAWA)がある。

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