医療数字のカラクリ

“3カ月の延命”の是非 新薬は副作用の点でも優れているか

 新薬ニボルマブは、単に3カ月の延命効果があるだけでなく、日常生活を制限するような重大な副作用や、命に危険を及ぼすような副作用も大幅に少ないというのが論文結果です。

 患者さんの「もう一度、どこか思い出の場所にでも1~2カ月旅行に行きたい」というような最後の希望が、ニボルマブによってかなえられるかもしれません。そう考えれば、3カ月の延命というのも、あながち短いともいえないのではないでしょうか。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。