なりやすい病気は血液型でわかる

「非O型の方が心筋梗塞になりやすい」ってホント?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 非O型(A・B・AB型)はO型と比べて静脈血栓ができやすく、エコノミークラス症候群になりやすいことが世界中で確認されています。また非O型では、血液凝固因子のうち「vWF因子」と「第Ⅷ因子」と呼ばれる2種類が、O型と比べてかなり濃いため、血液がより固まりやすいことが知られています。

 では「動脈」はどうでしょうか。動脈中で血栓ができると、急性心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。血液型による違いは見られるのでしょうか。

 実は1970年前後から、臨床現場ではやはり「非O型の方が心筋梗塞になりやすいようだ」といわれ続けてきました。ただ厳密に調査すると、その差はわずかであったり、ほとんど違いが検知されなかったりすることもあったため、医学的にはずっと「?」が付けられてきたのです。

 そもそも動脈と静脈では、血栓のでき方が違います。静脈の場合、足の付け根の太い箇所で血流が滞って固まりやすくなるのですが、動脈は血流に勢いがあるため、めったに血栓が生じることはありません。しかし、不整脈によって心臓内の血液の動きが悪くなると、血栓が生じることがあります(心原性血栓)。それが流れに乗り、脳や心臓の動脈を塞ぐのです。

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