漢方達人をめざせ!

「よく寝たのに日中眠い」は自律神経の不調のサイン

十分寝たはずなのに…(C)日刊ゲンダイ

「睡眠時間は十分で、しかもぐっすり眠ったはずなのに、寝起きが悪い。日中も眠い」といった経験、だれにでもあるのではないでしょうか?

 西洋医学的に見ると、自律神経のうち交感神経は活動時に優位に立ち、副交感神経は睡眠時に優位に立ちます。

 通常、目が覚めると、副交感神経から交感神経にスムーズに切り替わります。ところが、東洋医学的にいう「脾の運化(うんか)作用(消化した栄養を気血に変えて全身へ運搬する一連の働き)の低下や気が停滞した状態」の場合、その切り替えがうまくいかず、目が覚めても副交感神経が優位な状態を求めてしまう。

 つまり、睡眠を求めてしまうのです。だから十分に寝たはずなのに眠いのです。

 この状態を改善するには、脾臓や気を活発化させなければなりません。「すっぱい」「苦い」「甘い」「辛い」「しょっぱい」といった五味のうち、「甘い」に属する食品を取ると良いです。甘いといっても果糖や砂糖などではなく、芋、トウモロコシ、バナナ、キャベツ、シイタケなどになります。

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久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。